第10話私は走りながら色々なことを考えていた。小山先生に早く会いたい・・・でも家を飛び出した私を小山先生はすんなりと受け入れてくれるだろうか。心配はいらない。小山先生は卒業したら一緒に住もうって言ってくれた。でも、卒業までまだ時間がある。それに家を飛び出してきた私は学校に通えるのだろうか?それとも高校は卒業できないのだろうか・・・どっちでもいい。小山先生がいてくれればそれでいい。あぁ・・・でも突然飛び出してきたので本当に何も荷物を持ってこなかった。父が私のために残してくれた500万の預金が入った通帳とハンコだけ・・・まぁ、このお金で着替えなどを買えば・・・ それにしても母は本当に恐ろしい。どうして私にあんな酷い仕打ちができるのか私にはさっぱり理解できない。漆が塗ってある口紅のせいで唇が痒くて痒くて仕方がない・・・もうあんな家には絶対に帰りたくない。兄だって兄だって私の言うことなんてこれっぽっちも信じてくれずに母のご機嫌ばかり伺って許せない。男ってそうなのだ。マザコンで甘えん坊で母親が大好きで女の事なんてこれっぽっちも分かっていない。私は女だからよく分かる。母親だって女なのだ。したたかでずるくて傲慢で賢いのが女なのだ。これが息子と娘の違い・・・あぁ、憎い。兄が憎い、母が憎い。でも、先生に会いたい。小山先生に早く会って私を守ってもらいたい。私はたくさんのことを一度に考えすぎてある種、悲劇のヒロインのような興奮状態のまま小山先生のアパートに着いた。ドンドンドンドンドンドンドン『せんせい・・・せんせい・・・開けてください。私です・・・神野です・・・神野幸子です。せんせい・・・私・・・家出してきたんです・・・お願い・・・先生・・・あけてよ・・・助けてよ・・・』ドンドンドン私は泣き叫びながら何度も力強く小山先生のアパートのドアを叩いた。しかし、ドアを開けて迎えてくれたのは小山先生ではなかった・・・その男は髪を下品な金色に染め眉毛は剃っていて目つきも鋭く顔に傷があってチンピラみたいなアロハシャツを着た若い男だった。私はその男を見た時小山先生の家に借金取りでもきたのかと思うほど本当に柄の悪い男だった。小山先生に会えると思って走って走って悪魔のような母が住む家から逃げてきたのに私は少し不安になった。『あなた・・・誰?』私がそう言うと男は『神野・・・おまえ早いなぁ~こんなに早く戻ってくるとは思わなかったぜ?まぁいっか。いいから上がれよ。』と親しげにそして下品に笑って私をアパートの部屋の中へと入れた。(私の名前を知っている・・・)どこかで見たような顔だと思ったが思い出せなかった。こんなチンピラみたいな男いくら偏差値の低い私の高校にだって見たことがなかった。『ねぇ・・・先生は?小山先生はどこ?何で、あなたがここにいるの?』アパートの中に小山先生の姿はなかった。さっきまで小山先生とセックスをした布団が生々しく敷かれたままで私は少し恥ずかしくなった。『センコーならここにはいないぜ?ここ、俺ん家だからな。まっ、いいから座れよ、神野。今からすげぇもん見せてやっからよ』私は男の言っている意味がさっぱり分からなかった。ここは小山先生のアパートではない?そんなはずはない。だってさっきまでここで私は小山先生と結ばれていた。小山先生は卒業したらここで一緒に暮らそうと言ってくれた。なのになのに・・・・私がクッションの上に正座して座ると男はテレビの電源を入れてその横に置いてあったビデオカメラのようなものを操作しはじめた。そして次の瞬間テレビには裸で抱き合う私と小山先生の姿が映し出された。『やだ・・・なに・・これ・・やめて!!!!!!止めて!!!!!!!!!!私は必死に男に頼んだ。『ほら、よっく見ろよ。おまえとせんこーが結ばれてるとこをよ』男は笑って嫌がる私の手から通帳とハンコを奪い取ってこう言った。『盗撮させてもらったよ。おまえとセンコーの愛し合う姿を。センコーの顔にはモザイクを入れて星野優実似の女としてアダルトビデオにでも流出させれば結構、売れるぜ?これ。』私はぞっとした。私の人生はこれで終わったと思うほど目の前が真っ暗になった。『お願い・・・やめて・・・何でもするから・・・お願い・・・・・・・』私は必死に男に頼んだ。『だったら、1千万でこのテープを売ってやるよ。おまえの裸が世に出回らなくて済むなら安いもんだろ??』男はそう言って私の通帳を開いて見た。『なんだよ、500万しか入ってねぇじゃねぇか・・・どうする?おまえの家保険金とかたっぷり入ったんだろ?知ってるぜ?残り500万払うかそれともAV続きをみる
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